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2008年4月9日  トレンドウォッチ


改正の効果が現れる容器包装リサイクル法


(NTTデータ経営研究所 社会・環境戦略コンサルティング本部  
パートナー  指田 光章)

  容器包装リサイクル法改正の主な趣旨は、「容器包装廃棄物の排出抑制の推進」、および、「質の高い分別収集・再商品化の推進」の2点。このうち、「容器包装廃棄物の排出抑制の推進」については、平成19年4月の施行後、レジ袋対策をはじめとする取り組みが進展、早くも法改正の効果が現れてきている。
  経済産業省では、自治体、住民、市民団体、事業者間の自主協定等によりレジ袋を削減する取り組みを公表したが、3月3日現在、18自治体、合計491店舗において取り組みが進められている。このうち、東京都町田市のスーパー「三和」小山田店における取り組みは、レジ袋を廃止する始めての試みである。本実験は、3月14日より半年間実施し、効果を見極めたうえで店舗を拡大する方針とのことである。
  4月1日、富山県では、県内120店舗のスーパーマーケットと88店舗のクリーニング店でレジ袋の有料化が開始された。県全域を対象としたレジ袋有料化は全国初の試みである。レジ袋の有料化が県民にどのような形で県民に定着するか、その成果が期待される。

  「質の高い分別収集・再商品化の推進」については、本年4月1日、資金拠出制度がスタートした。
  資金拠出制度は、自治体が分別収集をきちんと行うことにより再商品化の効率化が図られ、その結果として再商品化費用が低減された場合に、その効率化に伴い削減される費用の二分の一を事業者が自治体に拠出するというものである。この制度により、自治体には、より品質の高い分別収集を行うインセンティブが働き、再商品化事業者においては、品質の高い再商品化製品の製造が可能となりコストが低減されるという考え方である。
  今年度から市町村には再商品化費用の低減に応じて資金が拠出されるが、市町村がその資金を受け取るためには条件がある。拠出金の1/2は分別収集物の「品質」に基づき、1/2は再商品化費用の「低減額」貢献度に応じて市町村に配分される。このうち「品質」に基づき拠出金の配分を受けるためには、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装については、財団法人日本容器包装リサイクル協会が設けている引き取り品質ガイドラインの基準を上回ることが条件となる。プラスチック製容器包装については、(1)協会に引き渡した分別基準適合物に含まれるプラスチック製容器包装の比率が90%以上であり前年度に比して2%以上向上している場合、または、(2)95%以上であることが条件となる。
  市町村が品質を向上させるためには費用もかかるため、本施策による品質向上へのインセンティブがどれだけ働き、再商品化費用低減にどのように結びつくかは、拠出金の額によって変わってくる。実際に拠出金が市町村に支払われるのは平成21年になるが、その効果検証が注目されよう。

  4月1日には、PETボトルの区分の見直しも行われた。これにより、改正容器包装リサイクルの改正はすべての項目について施行が完了した。
  PETボトルの区分の見直しは、しょうゆ加工品、みりん風調味料、食酢、調味酢、ドレッシングタイプ調味料(ただし食用油脂を含まず、かつ、簡易な洗浄により臭いが除去できるもの)について、これまでプラスチック製容器包装であったものをPETボトルへと区分変更するもの。
  消費者および市町村には、それに対応した選別が求められるようになるが、一方で、既に販売済みの製品については、プラスチック製容器包装であることを示す<プラマーク>が付されているため、それらの容器をPETボトルとして分別することは不可能である。そこで、<プラマーク>からPETボトルのマークに切り替えるまで一年間の猶予期間が設けられることなった。
  今回の見直しにより区分変更される商品の数量は多くないため、分別を行う消費者および市町村における混乱はないものと推測されるが、一部の市町村からは、市民への啓発をどのようにすれば良いのか迷っているという声も聞こえてくる。
  従来、容器包装のリサイクルについては、なぜ分別しなければいけないのか、あるいは分別したものは何にリサイクルされているのか、といった問い合わせが絶えない。今回のPETボトルの区分の見直しについても、きめ細かな情報提供が行われることが望まれる。


表:指定PETボトルの品目の追加
表:指定PETボトルの品目の追加
(出典:「PETボトルリサイクル推進協議会ホームページ」を参考として、NTTデータ経営研究所にて加工)

  プラスチック製容器包装については、CO2排出量の削減を目的として、レジ袋の削減以外に様々な取り組みが進められつつある。
  一つの取り組みは、レジ袋の素材の転換である。イオンは、レジ袋の無料配布中止店舗を現在の42店舗から1000店舗に拡大するが、配布するレジ袋についても素材をバイオマス素材に転換することでレジ袋由来のCO2排出量をゼロにする計画だ。ユニクロは、「ナノハイブリッドカプセル2」という添加剤を加えることにより、従来のレジ袋に比して焼却時のCO2排出量を約6割削減できるショッピングバッグを全社に導入していく。
  新たにリサイクルシステムを構築する動きも出てきている。ユニーは、グループ店舗で回収したレジ袋を最大15%配合してマテリアルリサイクルを行いレジ袋へと再生する。これにより、レジ袋をごみとして焼却するのに比較してCO2を約57%削減できるとのことである。エフピコは、従来の白色トレイに加えて、エフピコのマークのついたポリスチレン製の透明容器の店頭回収を全国展開する。
  プラスチック製の容器から紙へと素材そのものを抜本的に変える動きも出てきている。日清食品は、カップ麺の容器をポリスチレン製容器から紙製容器へと切り替えることを発表した。対象となる商品は「カップヌードル」レギュラーサイズ全9品で、4月より順次店頭で販売される。「カップヌードル」の容器は、1971年の商品化以来、消費者が慣れ親しんできた容器である。トップメーカーの代表的ブランドにおける素材転換が消費者および業界に与えるインパクトは大きい。
  以上、紙やバイオマス・プラスチック素材への転換、焼却時のCO2排出量を削減する新素材の開発、特定の容器を対象とした新たな回収・リサイクル方式の提案等、多様かつダイナミックな取り組みが進められてきている。
  プラスチック製容器包装については、今後も技術開発が行われ消費者に様々な提案が行われることであろう。しかし、それらが消費者にどれだけ受け入れられるかは不透明であり、市場に定着するものと淘汰されてしまうものとが出てこよう。容器を巡る消費者の環境意識や環境配慮行動をどれだけ先読みすることができるか、それが商品提供者にとって新たな顧客獲得の鍵となろう。

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