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2007年03月07日  環境ビジネス最前線


新エネルギー・省エネルギービジネス  最前線 1/4

(NTTデータ経営研究所  社会・環境戦略コンサルティング本部)
本レポートは、2007年9月以前に「環境技術レポート」として配信したものです。
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<概要>

 地球温暖化対策やエネルギー資源の自給ニーズが高まる中で、新エネ・省エネビジネスが活発化している。ここでは、太陽光・風力発電の導入とビジネス推進形態、燃料電池の開発動向、省エネルギービジネスの最新動向を報告する。

  1. エネルギーを取り巻く状況
    1. 1-1.エネルギー戦略について
    2. 1-2.新エネルギーの概念見直し等
    3. 1-3.トータルマネジメントシステムの重要性
  2. 太陽光・風力発電の導入動向と主要なビジネス推進形態
    1. 2-1.太陽・風力の導入状況
    2. 2-2.ビジネス推進形態
    3. 2-3.課題克服に向けて
  3. 急速に進展する燃料電池の導入・開発動向
    1. 3-1.燃料電池の動向
    2. 3-2.定置用燃料電池の動向
    3. 3-3.燃料電池自動車の動向
    4. 3-4.携帯用燃料電池の動向
  4. 省エネルギービジネス動向
    1. 4-1.強化された省エネ法
    2. 4-2.民生部門(業務用)のビジネス動向
    3. 4-3.民生部門(家庭用)の給湯用機器の動向

1.エネルギーを取り巻く状況

1-1.エネルギー戦略について
  「今、世界があつい」というと、今冬の暖冬にみられるように「暑い」という漢字を思い浮かべる人は多いだろう。「高い」というと、燃料油の高騰、石油関連商品の値上がりを連想する人も多いのではなかろうか。これは急激な経済成長を続けるアジア諸国を中心にエネルギー需要が拡大し、石油等の資源供給が追いつかないためといわれている。石油価格の高騰や化石燃料の資源制約論、地球温暖化が現実味を帯びてきた中でエネルギー資源の約8割を海外に依存しているわが国が対応する策はあるのだろうか。
  経済産業省は、エネルギーの長期的方向性として2006年5月に「新・国家エネルギー戦略」を打ち出した。この中で、(1)省エネルギーは2030年までに少なくとも30%の効率改善を目指し、(2)石油依存度低減は現状の50%程から2030年までに40%を下回る水準を目指すことが示されている。(3)運輸部門に限ると現状のほぼ100%石油依存から2030年には80%程まで低減する等の大きな目標が示されている。戦略項目として「省エネルギーフロントランナー計画」、「運輸エネルギーの次世代化計画」、「新エネルギーイノベーション計画」等が示され、技術戦略の策定・提示・支援強化を図っていくこととされている。実際、戦略を具現化するため、表1に示すような予算が設けられている。

表1:新・国家エネルギー戦略と平成19年度予算
戦略項目等 ポイント 予算 (億円)
新エネルギーイノベーション計画
(1,408億円)
変換効率改善のための
技術開発や導入支援、
新エネルギー産業群の育成に取り組むとともに、国民の理解促進を図る。
(1)新エネルギー技術開発の推進 (508)
(2)蓄電システムに係る戦略的技術開発・導入促進 (76)
(3)燃料電池・水素に係る技術開発・導入促進等 (324)
(4)国民等の新エネルギーへの理解促進 (19)
運輸エネルギーの次世代化計画
(581億円)
バイオマス由来燃料、
GTL、電気、水素等に
ついて中長期の観点から利用環境の整備や技術開発、実証等に取り組む
(1)バイオマス由来燃料に係る調査研究・技術開発・実証(運輸部門以外含む) (102)
(2)合成液体燃料に係る実証研究 (69)
(3)蓄電システムにかかる戦略的技術開発・導入促進(再掲) (76)
(4)燃料電池・水素に係る技術開発・導入促進等(再掲) (324)
省エネルギーフロントランナー計画
(1,619億円)
省エネ技術革新、先進
的な省エネ設備・機器の初期需要の創出等支援を行うなど
(1)省エネルギー技術開発の一層の推進 (502)
(2)住宅・建築物に係る省エネ機器の導入促進 (242)
(3)産業・運輸部門における省エネ設備等の導入促進 (286)
(4)民生・運輸部門における対策強化のための実証事業等の推進 (22)
エネルギー技術開発の戦略的な推進 エネルギー分野の研究
開発事業をプログラムとして体系化し、一層の効率化・重点化を図る。
(1)省エネルギー技術開発プログラム(再掲) (502)
(2)新エネルギー技術開発プログラム(再掲) (508)
(3)電力技術開発プログラム (59)
(4)原子力技術開発プログラム (138)
(5)燃料技術開発プログラム (343)
(出典:新・国家エネルギー戦略(経済産業省、2006年5月)、平成19年度資源エネルギー関連予算案の概要(経済産業省、平成18年12月)をもとにNTTデータ経営研究所作成)

1-2.新エネルギーの概念見直し等
  国家としてエネルギー戦略を内外に示したが、実際に導入される新エネルギーの概念や、省エネルギーの展開はどうなっているのだろうか。現状の新エネルギーは、図1に示すように供給サイドの新エネルギーとして太陽光発電や風力発電等が、需要サイドの新エネルギーとして燃料電池等が定義されている。

(図1:新エネルギーと新たな再生可能エネルギー等の定義)
図1
(出典:新エネルギーと再生可能エネルギーの概念整理について(資源エネルギー庁、平成18年3月24日)、総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会中間報告(案)(平成18年10月26日資料)をもとに、NTTデータ経営研究所が加筆)

  平成18年3月24日に開催された総合エネルギー調査会新エネルギー部会において資源エネルギー庁が新エネルギーと再生可能エネルギーの概念整理を示し、平成18年10月26日の中間報告(案)において、再生可能エネルギー(現行の供給サイドの新エネルギー+水力+地熱)から大規模水力発電及び化石原料由来廃棄物発電・燃料製造・熱利用を除いたものを新たに新エネルギーとし、需要サイドの新エネルギーは概念から外すことが示された。新エネルギーの枠から外れるものの定置用燃料電池、燃料電池自動車などは、革新的なエネルギー高度利用技術と呼ばれ、政策支援の重点投入が図られるとともに、引き続き燃料電池等については導入目標量を設定し普及支援を図ることが示されるなど重要な位置づけは変わらない。
  省エネルギーについては省エネルギー技術戦略研究会(資源エネルギー庁内に設置、中間とりまとめを2006年9月に発表。3月末までに最終案報告予定)において、2030年に向けた中長期的なエネルギー技術戦略を策定・提示され、今後、注力していく技術開発等が明らかになると考えられる。

1-3.トータルマネジメントシステムの重要性
  このような状況に鑑み、新たに定義されるだろう新エネルギーの中心となる太陽光発電や風力発電、今後の急速な進展が予想される燃料電池を取り上げ、技術開発、ビジネス動向等を記述する。また、省エネルギービジネスについても概観する。
  次項以降に取り上げた技術のなお一層の推進のためには、各要素技術の開発や技術・ビジネスモデルの組み合わせはもとより、事業を安全・効率的に運用できるような新たなトータルマネジメントシステムを構築していくことが重要な要素となろう。

<引用文献>
  • 新・国家エネルギー戦略(経済産業省、2006年5月)
  • 平成19年度資源エネルギー関連予算案の概要(経済産業省、平成18年12月)
  • 新エネルギーと再生可能エネルギーの概念整理について(資源エネルギー庁、平成18年3月24日)
  • 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会中間報告(案)(平成18年10月26日)
  • エネルギー白書、2006年版

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