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2007年02月07日  環境ビジネス最前線


化学物質管理(処理)  最前線 1/3

(NTTデータ経営研究所  社会・環境戦略コンサルティング本部)
本レポートは、2007年9月以前に「環境技術レポート」として配信したものです。
レポート内の前後ページへのリンクは、同一ウィンドウに表示されます。
 
<概要>

 CBからアスベストまで、現在使用/製造が禁止されているものの市中に未だ多く存在する化学物質の処理(無害化処理)にスポットライトを当て、それらの処理技術の最新動向を報告する。

  1. 化学物質管理の潮流
  2. 化学物質の処理動向
  3. 各化学物質の処理技術
  4. 今後の化学物質「無害化処理」ビジネスの行方

1.化学物質管理の潮流

  化学物質を取り巻く環境は、国内外を問わず厳しくなるばかりである。国際的な動向を見ると、欧州では2006年7月のRoHS指令の発効、2007年6月のREACH指令の発効等、年々化学物質の管理が強化されている。アジアにおいても、中国版RoHSや2006年1月の韓国での改正有害化学物質管理法の施行等、化学物質管理に関する動きは活発化している。国内では、化管法や化審法の改正等が控えており、今後も化学物質管理は厳しくなることはあっても、緩和されることはないであろう。
  なお、近年では、化学物質管理の厳格化とあわせて、現在「使用禁止」となっている人体/地球環境に大きな影響を与える化学物質の処理が推し進められている。

2.化学物質の処理動向

  化学物質処理という用語は、「無害化処理」や「飛散防止処理」、「除去処理」などをひとくくりにして広範に用いられているケースが多いと思われるが、本稿では、「無害化処理」に関して述べることとする。
  現在、無害化処理を進めている代表的な化学物質は、「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」「フロン類」「アスベスト(※鉱物も広義な化学物質として捉えた)」などを挙げることができる。ここで取り上げた化学物質は、毒性の強さなどから、国にて処理技術や処理条件を厳密に定めている。以下、それぞれの化学物質の無害化処理に関する経緯を記す。

(1)PCB(ポリ塩化ビフェニル)
  トランスやコンデンサ等に用いられていたPCBは、カネミ油症事件などが発端となり1972年に生産中止、1974年に使用禁止となっているが、処理体制が十分に整備されていなかった。国際動向を見ると、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)において、PCBに関しては、2025年までの使用の全廃、2028年までの適正処分が定められており、日本は2002年8月に当条約を締結している。このような状況を踏まえ、2004年に100%政府出資により設立された日本環境安全事業株式会社(JESCO)が、全国5カ所(表1参照)に設置するPCB処理施設にて、PCBの早急な適正処分を進めていくこととなっている。JESCOは、PCBの自社処理設備を設置することが困難な中小企業が保管しているPCB処理の受け皿となる。なお、PCBの保管事業者は、2001年に制定された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、2016年までにPCBを処理することが義務付けられている。

表1:日本環境安全事業株式会社(JESCO)が設置するPCB処理施設
表1
(出典:「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理に向けて(2006年度版)」(環境省))

(2)フロン類(特定フロン(CFC)/ハロン)
  空調機器や冷凍冷蔵機器等に用いられていた特定フロン(CFC)、及び消火設備等に用いられていたハロンは、オゾン層を破壊する物質であるため、日本を含む先進国では、1995年にモントリオール議定書に基づいて、特定フロンの生産及び消費が全廃されている。
  なお、2001年に公布された「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)」にて、特定フロン及びハロンを含めた「フロン類」の適正な回収及び破壊処理の実施等が義務付けられ、2006年6月の改正では、関係者の役割やフロン回収の手続きが明確化された。(フロン回収・破壊に関する参考資料として、2006年5月のトレンドウォッチを参照されたい。)

(3)アスベスト
  「静かな時限爆弾」とも呼ばれるアスベスト、先般の大々的なマスコミ報道で記憶に残っている方も多いと思われるが、2006年2月の「石綿による健康被害の救済に関する法律」の成立によるアスベスト関連業務従事者以外の被害に対する補償制度が整備されたことと同時に、廃棄物処理法が改正され、廃石綿の溶融による無害化処理の促進及び誘導が図られている。具体的には、廃石綿を高度な技術を用いて無害化処理しようとする事業者が、環境大臣の認定を受けることにより、廃棄物処理施設設置許可及び廃棄物処理業の許可を取得せず廃石綿を無害化処理することが可能となった。(アスベスト問題に関する詳細動向については、2006年10月のトレンドウォッチを参照されたい。)
  なお、昨年10月には「アスベスト対策環境展'06」が開催され、併催された「危機管理産業展2006」とあわせた来場者数は8万人を超えた。来場者数からも、アスベスト対策に関する関心の高さをうかがうことができる。

<引用文献>

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